「前捌き」ができる人間が、いない。地方DXが9割死ぬ本当の理由。

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【プロローグ】トップランナーとの対話で見えた「日本のDXの現在地」

先日、日本におけるAI活用と地方創生の最前線を走るトップランナーと、じっくり話す機会がありました。

肩書きだけ見れば、華やかです。しかし彼が語る現場の話は、華やかさとは程遠いものでした。

「地方の中小企業でDXが進まない理由、分かりますか?」

ITリテラシーの低さ。予算不足。経営者の意識の問題。そういった答えを想定していました。しかし彼は静かに首を振った。

「違います。導入のさらに手前で、完全に詰まっているんです。」

前捌き。その一言が、会話の核心でした。

【業界のタブー】なぜコンサルやテック企業は「現場」を見捨てるのか

システムを売る側にとって、整理されていない現場の業務フローを紐解く「前捌き」は、極めてコストが高い作業です。

どういうことか。

中小企業の現場には、長年の慣習で積み上がった「誰も全体を把握していない業務」が存在します。担当者しか知らないExcel。口頭でしか伝わっていないルール。退職した前任者の頭の中にしかない例外処理。

これを丁寧にヒアリングし、構造化し、整理する。それが「前捌き」です。

しかしこの作業は、システムの納品物にはなりません。提案書に金額として載せにくい。「コミュニケーションコストが合わない」という言い訳で、泥臭い現場を切り捨ててきたコンサルタントやテック企業が後を絶たないのは、そういう構造的な理由があります。

地方創生を謳うプロたちでさえ、忸怩たる思いを抱えながら手をこまねいている。そこに「血栓」がある、と彼は言いました。

全く同感でした。

【NDLの回答】「劇薬」の前に、まず「血流改善」を

ドロドロの血液の組織に、いきなり最新システムという「人工心臓」を埋め込んだらどうなるか。

拒絶反応が起きて、現場が死にます。

整理されていない業務フロー、曖昧な役割分担、人間関係のノイズ——そういったものが渦巻いたまま導入されたシステムは、誰にも使われないまま埃をかぶります。「DXに失敗した」と言われる案件の多くは、システムの問題ではありません。前捌きが足りなかっただけです。

必要なのは、組織の血流をサラサラにする存在です。

ケルセチン。DHA・EPA。血液をサラサラにする栄養素のように、人と人、人と業務の間にあるノイズを丁寧に濾過し、自然に情報が流れる状態を作ること。それがニューロデザインの出発点であり、NDLが現場で最初に手をつける仕事です。

システムは、その後でいい。血流が整った組織に導入されたシステムは、驚くほどスムーズに根付きます。

【エピローグ】「希少品種」としての使命

冒頭のトップランナーは、会話の最後にこう言いました。

「あなたみたいな人間は、希少品種ですよ。」

40年近い現場経験。ホテル開業、コールセンター新設、BPO立ち上げ——何もないところから動く現場を作ることを、一貫してやってきました。泥臭い最前線で、酸いも甘いも噛み分けてきた。

だからこそ、システムと人間の間にある「血栓」が見えます。

「現場主義」を貫いてきた人間が、最新のテクノロジーを翻訳して届けること。それがNDLの存在理由であり、この時代に求められていることだと、改めて確信した対話でした。

次回は、実際の現場でどのように「前捌き」を進めるのか。具体的なプロセスを言語化します。

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